瞑想を始めると色々な雑念が頭に浮かんできて、思考を落ち着けるのに30分かかるのも珍しくありませんが、マントラを使うと早い段階で雑念を落ち着けたり、より深い瞑想に入るきっかけにもなります。
日々の瞑想で得られた体感を元に、マントラを瞑想でどう活用していくと、効果的に瞑想が出来るのか、シェアしていきたいと思います。
瞑想は雑念を流すことが基本になります。なので、『瞑想で雑念を消す方法と活かす方法』も一緒にぜひ*
そもそもマントラって何?
マントラってなんだろう?ということで、辞書(大辞林 第三版)で調べてみると、、、
マントラ【mantra】
密教で、仏・菩薩の誓いや教え・功徳などを秘めているとする呪文的な語句。真言。元来はベーダ聖典中の賛歌のこと。
と書いてあります。法事で真言密教のお坊さんが唱えているものもマントラですね。私たちは年に一度くらい、夫婦で永田町の豊川稲荷東京別院に行くことがあるのですが、そこには愛染明王が祀られていて、ご真言が書かれています。「おんまからぎゃ ばざろしゅにしゃ」
ちょっと舌を噛みそうですけれど、こういうものがマントラと呼ばれるものです。
瞑想でマントラを使うタイミングを迎える3ステップ
マントラを唱えてみた方は体験されていると思いますが、準備なくいきなりマントラを唱えても、中々効果は感じられません。ただ言葉を発しただけ、となってしまいます。
それは、マントラが効果を発揮するための”下ごしらえ”をしていないからなのですね。その簡単なステップを3つに分けてみます。
1.呼吸を整える
口から吐いて、鼻から吸います。仕事をして緊張することが体に染みついていると、吐く息の方が長いことが多いです。でも、瞑想の時は意図的に吐く時間と吸う時間を同じにして、息を止める時間も一定のリズムに整えます。
時計を見たり、秒針の音を聞いたりして、規則的な呼吸を続けてみましょう。慣れないことをあまり長く続けると、逆に窮屈な気持ちになってしまいますので、まずは1分くらい。
4秒で吐いて、4秒息を止めて、4秒で吸って、また4秒止める、といった感じです。
理想は腹式呼吸をすることですが、意識し過ぎと体が緊張してしまうので、初めは意識しなくて良いです。
瞑想での呼吸法については、『瞑想の呼吸方法で、腹式呼吸の前に意識したいこと』をどうぞ。
2.体の力を抜く
体に力が入っていると、心や思考も固まってしまいます。それの何が良くないかというと、発せられるマントラが窮屈なものになってしまうところです。
マントラは仏や菩薩の教えに沿ったものですので、自分も仏や菩薩のような視点に近づいて読むことがポイントになってきます。世俗のことで頭が一杯だと、体も心も頭も固まってしまい、マントラによって得られる効果も感じずらくなってしまいます。
例えば、月末どうしよう、今日のお昼は?、新しい靴が出るんだったよね、あの仕事のこと○○さんに言わないと、という雑念があっては、頭の中が静かになりません。静かじゃないという事は、頭の中が日常生活のことで一杯一杯になっているということで、非日常の中にあるマントラの効果を感じ取るスペースが無い、という事になってしまいます。
ですので、雑念を一度流して、余白を作る必要があるのですね。
そのためにも、まずは体の力を抜きましょう。体から力が抜けると、心や頭も緩んできて、マントラの効果を感知できる余裕も生まれてきます。
3.マントラを発する意図を明確にする
なぜマントラを唱えるのか、意図を明確にしましょう。言葉を変えれば”本願”が何なのかを明確にすることでもありますし、それは”大欲”と言ってもいいかもしれません。
小さな自分の目先の欲望ではなく、人生全体で見渡した時に自分が本当に達成したい欲望が何なのか、ということをベースにマントラを唱える、ということです。
大雑把に言えば、仏や菩薩の教えと同じ方向を向こう、ということです。例えば、合格祈願、恋愛成就、というのは小さな欲求で、よく考えると、それを達成したい理由があるはずです。瞑想をしていくにつれて明確になるのですけれど、大きな欲に意図を向けると、マントラと同じ方向を向くことになります。
瞑想で使うおすすめのマントラ
マントラは秘密の合言葉のようなもので、深い意味が隠されています。般若心経を聞いたことのある方は多いと思いますが、呪文のようになっていて、見聞きしただけでは意味がわかりません。しかし、言葉一つ一つに意味が備わっています。
マントラの種類は様々あって真言も良いですけれど、シンプルな日常的に使う言葉「ありがとう」をマントラとして活用するのも、良いと思います。
マントラと言霊は似ていて、どちらも原理原則を基本とした良い言葉
マントラというと呪文の様な意味不明の言葉をイメージするかもしれませんが、実は言霊と似ていて、良い言葉を発するのが肝心です。
般若心経は呪文の様な内容ですが、シンプルに言うと良い言葉(原理・原則)が書いてあるのです。
例えば「ありがとう」という言葉をマントラに使おうと思った場合、「在り難う」という意味に転換され、「在る」ことの難しさから、物質が移り変わっていくことが感じられ、「色即是空、空即是色」や「虚空」という、宇宙の原理原則に繋がっていくのですね。
瞑想でマントラが生み出す力
正しい意図を持って唱えた時には、瞑想で雑念が消え去る効果が促進されて、深い瞑想へ入りやすくなります。
結果として思考が非常にクリアーになり、人生の目的意識に目覚めることもあります。「ありがとう」という言葉の力を活用すると自然に現れる結果ですが、思った以上に強力でした。
個人的なバックグラウンドにも影響されているかもしれません。大切な人が重体の時に「ありがとう」と言われたことがあって、その一言が本当に心にしみています。たった一言の言葉ですけれど、全てのしがらみを抜きにして言われた純粋な言葉に乗っかっている意味や言霊は、すごく綺麗で美しいなと感じています。
言葉で説明しても伝わらないものなので、一度はサロンで開いている瞑想会にお越しいただけたらなと思います。
マントラ使用の注意点
お経やマントラをありがたく唱えて神仏に助けてもらおうとしたことがあったのですけれど、もしかしたら、助けてもらえないかもしれません。雰囲気的には敬虔な感じがしますし、頑張って拝んでいることも伝わりますけれど、そこには自分の意図が無い状態でした。
それだと、神様だって困っちゃうかもしれません。”助けてって一体何をどう助けるの?肉体を持っているあなたはそのために何をするの?その方法で解決できる?”ということを明確にして伝えなければ、困惑させてしまいそうです。
形而上学(スピリチュアリティ)の原理においては、”As Above, So below(上にあるがごとく下もそうである)”というものがあります。ということは下(地上)にあるものは上(神仏の世界)にもあるということ。
地上で人に何かお願いをするときに、何をして欲しいのか明確にコミュニケーションをとる必要があるのと同じように、マントラで神仏にお願いをするときも、明確なコミュニケーションが必要になると考えるのが自然かもしれません。
あくまで舵をとるのは、肉体を持っている人間でので、マントラを唱えて気分スッキリ、と言うところに留まらず、どうやって日常を変えるのかを冷静に瞑想して考えていくと、友好的(有効的)にマントラを活用できるかな、と感じています。
マントラを瞑想で上手に使うコツは、心ひとつ
マントラを瞑想で使うと、世俗的な考えを頭から追い出しやすくなりますが、それも心ひとつ。
明確な良い意図が心にあることで、良い力を引き出すことになります。
「ありがとう」の言葉一つに色々な意味があるように、マントラも心の持ちようで質が変わります。
マントラを上手く使ってより良い瞑想が出来るようになり、頭と心をリラックスさせることに役立ったら嬉しいです。
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