瞑想をしていて、正しい姿勢で出来ているのか気になってしまうと、雑念が湧いて集中できないこともあります。
椅子や床での座り方に気が行ってしまうと、瞑想の効果も感じづらいものに。瞑想を始めて7年経ちますが、そんな時期が私にもありました。
個人的な経験も交えて、瞑想の姿勢はどのようにしたらよいかを、シェアしていきます。
瞑想をする4つの姿勢(種類別)
基本的には以下の4つの座り方に分類されます。
それぞれ一長一短ありますので、どんな時にどんな姿勢が良いか、ご自分の調子に合ったベストな姿勢を見つけてみてください。
床・地面に座る
あぐらをかいているのが、一番よく見る姿勢です。正座も馴染みがあるでしょう。
場所は家の床に座ったり、海の砂浜や自然の中で座って瞑想したりします。
初めての方は、足を投げ出した格好がとっつきやすいと思います。
座椅子を使ったり、壁にクッションを立てかけてもたれるなど、リラックスしたまま行いましょう。
座り方は様々ありますが、足全体が床に触れるので、より静かな瞑想になります。
腰、お尻、背中が痛くて集中できない、股関節が開かないなど、一人ひとり様々な状況があると思います。こちらについては、「正しい姿勢を取るのが辛い場合」でシェアします。
椅子に座る
瞑想は床や地面に座ってするもの、という印象は強く、「椅子に座って行っても良いのですか?」と聞かれることがありますが、OKです。
足をたたまないので、比較的動きのある姿勢になります。
どのような椅子で行っても構いません。
新幹線の椅子での瞑想
瞑想を始めた頃、私が一番集中できたのは、新幹線の椅子での瞑想でした。
安定感よく体をしっかりと支えてくれて、かつ柔らかすぎないので背中のラインが曲がり過ぎることもありません。
立って行う
「立禅」や「站椿功(タントウコウ)」とも言われますが、木を抱くようなポーズを取って、瞑想を行います。
ヒーラーは、立ってヒーリングを行う場合、立ち姿勢で集中できる必要があります。
第1、第2チャクラ(丹田)でグラウンディングをした上で、瞑想に入りますので、立禅はトレーニングに適した姿勢です。
横になる・寝る
お釈迦さんの涅槃像の様に、横向きに寝て(仰臥位)行っても良いですが、一般的には仰向けでしょう。
仰向けになる姿勢は、「屍のポーズ」(シャヴァ・アーサナ)とも言われますが、問題は寝落ちしやすいことです。
眠ることを目的とせずに瞑想をする場合は、相応の意志が必要になります。
手は大の字でも、気をつけでも、それ以外の場所でも構いません。
足はつま先が天上に向いていてもいいですし、横に倒れていても問題ありません。
姿勢別の安定感
左に行くほど接地面が増えて、安定感が強まり体をリラックスしやすくなります。
反対に、右に行くほど接地面が減り、活動的になります。
寝る << 床・地面に座って << 椅子に座って << 立つ 短時間で瞑想をする場合には、寝転がって短期集中で瞑想してみるのも、一つの方法です。
静と動の瞑想
姿勢と少し話がそれますが、「立つ」よりさらに活動的になると、動きながら瞑想をすることになります。
上記の瞑想は動かない瞑想、つまり「静的瞑想」での姿勢をご紹介しています。
気功や太極拳、歩きながらの瞑想などは、動きながらの瞑想、つまり「動的瞑想」の部類に入れることが出来ます。
手足と顔の姿勢
瞑想しやすい姿勢を取るための、手足の置き方や、顔の状態などを、体のパーツごとにご紹介します。
どの姿勢も、無理のない範囲で取り入れてください。
少し無理して頑張ってしまう方もいらっしゃいますが、まずは頑張らずに取れる姿勢を取りましょう。
手の位置
立禅の時以外は、手のひらが天井を向いているようにしましょう。
あまり取らないポーズに違和感を感じるかもしれませんが、手のひらを天井に向けると、肩が体の横に収まります。
胸は開くので呼吸もよりしやすくなり、体が開いていきます。
足の組み方
様々な足の組み方がありますが、無理のない組み方をしましょう。
無理に蓮華のポーズを取ろうとして、関節を痛めてしまわないように、注意してください。
あまり神経質にならず、無理なく楽に取れる姿勢を心がけます。
顎
顎が上がってしまわないように、軽く引きます。
顎を軽く引くことで、背骨のラインが整い、より安定した姿勢になります。
ただし、スマホやパソコンの使いすぎで頚椎にカーブがなく、首が前に出た状態(ストレートネック)になっていると、顎を引くのも辛く感じるかもしれません。
無理のない範囲で軽く引きましょう。
チャクラの観点から見ると、クラウンチャクラが真上に向くようになるので、漏れなくエネルギーを取り入れられるようになります。
肩
力を抜きます。一度タイトに力を入れながら肩を上げ、ストンと降ろすと、力を抜きやすいかもしれません。
力をて怒り、緊張、ストレスを溜めている方は、肩が上がりがちです。
肩を下げるだけで、心が鎮まる時もあります。
口・唇
無意識のうちに、ぎゅっと閉じていることもありますので、力を緩めましょう。
笑顔ほど力が入っていないまでも、穏やかさを感じる口元を心がけます。
舌
軽く上顎につけます。
「タンロック」と呼ばれる手法です。
口から息を吐く時に、上顎と舌の間に振動が生まれ、リラックス効果を生みます。
目を開けるか閉じるか
どちらでも構いません。
目を閉じるのが苦手な場合や、目を閉じると寝てしまう場合、目を開けて行いましょう。
背骨・背筋・脊柱・仙骨の理想的な姿勢
瞑想の姿勢でどうすれば良いのか迷うことの多いポイントは、脊柱・背骨を張ればよいのか、丸めてよいのかです。
結論から言うと、真っすぐストレートになっている時が、瞑想しやすい体感があります。背骨はS字を描いていますけれど、S時ではなく真っすぐにするのが鍵です。これになれると、楽に瞑想を続けられるようになります。
猫背になるのでもなく、胸を張って反らせる訳ではありません。よく胸を張りがちなのですが、背中や腰を痛めてしまいますので注意が必要です。猫背も胸を張るのも、ある意味、体を緊張させている訳で、瞑想の時は体をリラックスさせることが大切なので、その姿勢はNGです。
また、たまに膝の関節と仙骨の3点で体を支える座り方が描いてあるのをみるのですが、三点に同じだけ体重をかけると胴体は前かがみになるか、すごく反ることになってしまいます。これではルートチャクラとクラウンチャクラを結んだ線がS字状になってしまい、地球の中心に対して一直線になりません。
瞑想で楽な姿勢を取ると、自然と地球の中心・仙骨・頭頂を繋いだ線が一直線上に並び、天にも真っすぐ伸びていくのですね。
正しい背筋(せすじ)の確認方法
正座をして背筋を整えると、背骨が自然と安定した状態になりやすくなります。
あぐらで瞑想をすることが多いのですが、背骨や背筋の状態を確認するため、正座をして姿勢を一度確認してみるのも、良いやり方です。
仙骨
仙骨が寝ていると、第二チャクラ(丹田)を圧迫してしまい、気の通りを妨げてしまいがちです。
体内の気をリフレッシュしづらくなってしまいますので、なるべく立たせます。でも背筋をピンと張る訳ではありません。仙骨をクイッと回転させて立たせるイメージです。
慣れていないと、「あれ?これは猫背なんじゃないの?」と思ったりします。猫背になった時は首が寝てしまっているからで、仙骨を回転させたのが問題ではないです。
ストレッチを日ごろ行っていないと、背骨の一本一本に余裕が無くなって、仙骨を曲げると一緒に首も曲がってしまいがちです。私もそうでした笑。体が知らないうちに固まってるんですねえ。
骨格の部位ごとに分けてストレッチをするのがオススメです。私たちは夫婦で(陳氏)太極拳を勉強させてもらっていて、少しずつ分かるようになってきました。
それと、僕は”西式健康法”という健康法を取り入れていて、木のベニヤ板で寝ています。すると背骨のデコボコが少し平らになるようなんです。陳氏太極拳と西式健康法を取り入れてから、仙骨を立てるって一体何の事なのか、分かりやすくなりました。
普段使わない体の動かし方なので、初めは無理して行わずに、ストレッチから始めていくと良いと思います。椅子を使わず床に座ってあぐらを組んだ時、仙骨を立てようとすると、体が少し前のめりになると思いますが、気にせずに瞑想しましょう。
ちなみに、あぐらを組んだ時に仙骨を立たせるには、足の付け根のVラインの辺り(鍬[くわ]って言われたりします)が柔らかい必要があります。仙骨を回転させる筋肉って、結構固くなってると思います。梅雨の時期や雨の日は体も張りがちなので、必要に応じて背もたれを使ったり、ある程度の姿勢で満足して瞑想することになると思います。
なお、椅子に浅く座って背もたれを使うと仙骨が寝てしまいます。椅子の背もたれを使うなら、深く腰掛けた方が良いです。
正しい姿勢を取る効果メリットとデメリット
正しい姿勢をとると生まれる効果があります。
深い瞑想
深い瞑想は姿勢が正しい時に訪れやすいです。天と地が真っすぐ繋がっているからだと思います。深い瞑想はいわゆる脳波が落ち着いている状態という事です。
簡単に言えば、気持ち良い感覚です。マッサージしてもらったり、猫と一緒にいるとき(猫嫌いでなければ)と似ているのですけれど、それよりも深いリラックスを感じます。
呼吸しやすい
瞑想会にいらっしゃる方と瞑想をしても感じることですが、日頃から緊張して呼吸をしている方が少なくないです。姿勢が正しいと呼吸も楽になってきて、緊張が解けていきます。
変性意識
変性意識に入りやすくなります。変性意識は、スポーツでの「ゾーン」と似ています。
例えば野球なら、ホームランを打つ前から、もう打つことが分かっているような、高度な集中状態です。
変性意識に入るから、気持ちいい感覚が生まれるのかもしれませんね。瞑想で正しい姿勢が取れていると、安定して変性意識の状態になりやすくなります。
特に日々の瞑想が習慣になっていると、そうなるまで早いです。数日サボると、そこまで立て直すのにちょっと時間がかかります。瞑想をしていなかった間に、潜在意識に雑多な情報が入ったままになってしまうので、整理する時間がかかるのです。
日頃の姿勢が良くなる
瞑想をきっかけに姿勢を正すことになり、日常的な姿勢も良くなります。やっぱり姿勢は大切です。きっと血流にも関係があるのでしょうけれど、姿勢が良いと、姿勢が悪い時より頭が冴える感覚があります。気分も爽やかになりますし、良いことが多いですね。
瞑想で姿勢を正す意味
正しい姿勢を取れることも大切ですけれど、それ以上に正しい姿勢を取ろうとする心構えが大切だと思います。
人生って、いつもフェアな事ばかりじゃありません。逆境もあります。そんな時に完璧主義になって足を踏み出せないのか、それとも投げ出してしまうのか、不完全でも前に進もうとするのか、という自分の潜在意識によって決まる行動が、瞑想の姿勢一つをとっても現れていると思います。
なので、正しくあろうと前進することに意味があるのだと思います。
正しい姿勢を取るのがつらい場合にどうしたらいいかを、シェアしていきます。
正しい姿勢を取るのが辛い場合
「姿勢を正しくしないと瞑想はできない」という訳ではありません。
「姿勢を正さないと!」という思いが雑念になって瞑想に集中できない状態は、なるべく避けたいことです。
手段よりも目的を優先しよう
例えば体調が良くないときや、体の自由がきかない場合。心を落ち着けるために瞑想をしようとしても、良い姿勢を完璧にこなすことは出来ません。
無理に正しい姿勢を取らなくても良いんです。姿勢(=手段)よりも、心を静かにすること(=目的)、を優先してみてください。
理論や理想にとらわれ過ぎず、まずは行動してみましょう。
私も瞑想を始めたばかりの頃、腰痛持ちでしたので長く瞑想を続けられませんでした。
少し時間がたつと、筋肉が張ってくるような感じがして、モジモジと動いてしまい、集中が難しいです。
ですので、自分にとって体に負担の少ない姿勢を見つけましょう。
これを前提に、体の部位別に対策をシェアします。
腰
腰が安定する姿勢で瞑想をしましょう。
寝転がったままや、正座などがおすすめです。
瞑想用の椅子や、骨盤を立てるクッションを使うのも良いです。
私はギックリ腰をしたこともあるのですが、原因は良い姿勢を取ろうとして、無理に背筋を伸ばしていたことでした。
腰を痛めると日常への影響も大きいので、無理のないように行います。
背中
猫背で背筋が曲がっていたときは、背中に圧力がかかるためか、同じ姿勢を長く取っていると、痛くなりがちでした。
頭も預けられる、背もたれのある椅子での瞑想が良いでしょう。
股関節が硬い
あぐらを出来ない場合、正座や椅子で瞑想を行います。
あぐらをかいて、足全体が床につかずに浮いた状態で瞑想をしても構いません。
正座は足がしびれるので、正座用の椅子があると便利だと思います。
お尻が痛くなる
クッションを敷いても、数十分瞑想をしているとお尻が痛くなることがありました。
個人的な体験では、原因が骨盤の歪みにあり、これを直すまでお尻の痛みは続きました。
痩せているので、「お尻に肉がないからだ」と言われることもありましたが、痩せていることが原因ではなかったようです。
良い姿勢を取るポイント・コツ
良い姿勢をとるには、体の歪みやコリを解していくことが肝心です。
安定して瞑想を続けられうように、体のケアは日頃から必要になります。
ストレッチや整体などを積極的に取り入れましょう。
心の姿勢
スピリチュアルなヘルメス学の格言に「内にあるがごとく、外にもかくある」(As Within, So Without)という言葉があります。
瞑想の姿勢について言えば、外面的に見える姿勢は、瞑想に対する内面的な姿勢・態度を映し出していることになります。
例えば、もし内面が穏やかであれば、どのような姿勢であろうと、外見的にも穏やかさを感じます。
反対に、正しい姿勢をしようとするあまり、心の内に秘めた緊張が、体にも表れているかもしれません。
体の姿勢をチェックするのは、心の姿勢を見る事にも繋がっています。
まだ見ぬ自分の潜在的な可能性を知るために、瞑想の姿勢に取り組んでいけたらベストだと思います。