瞑想をしたくても、呼吸でつまづいて瞑想が出来なかったり、やめてしまう人は少なく無いと思います。
腹式呼吸を意識してみると、変に力が入った呼吸になって息苦しかったり。本来、呼吸がうまくいっている時は、静かな海の潮の満ち引きのように、穏やかで心地よい気分になるのです。
心の芯からリラックス出来るようになる瞑想の基礎、呼吸法をご紹介します。
瞑想の呼吸はリラックスから
最近、瞑想会に参加される男性の方で多いのが、呼吸の浅い方です。日頃から息苦しい感じや、息を十分に吸えていない感覚を持っています。原因は、体が凝っていること。恐らく横隔膜あたりの筋肉が凝っています。仕事で集中して頑張っている時や、緊張やストレスがかかった時、私たちは無意識の内に息を止めがちです。
「ふーー」っと息を吐いたまま、息を吸うのも忘れて仕事に集中しますが、ゆったりと息を吸う時間が減るため、横隔膜あたりのお腹の筋肉が収縮状態を続けて凝ってしまうのです。すると、お腹の筋肉が呼吸であまり動かなくなり、肺の活動範囲が狭まり、息苦しくなってしまうのでしょう。
こうした状態にある時には、体をリラックスさせることが大切です。いわゆる「無」になるような瞑想をするよりも、まずは体をリラックスさせましょう。これも立派な瞑想です!マッサージしてもらうときは力が抜けて、瞑想状態になりますが、それと同じです。女性の場合はマツエクをしてもらうときのあの不思議な感じを味わったことのある方もいるかもしれませんが、それもまた瞑想状態です。
体から力を抜く
寝る前でもよいので、10分ほど体から意識的に力を抜く時間を取りましょう。湯船につかって全身を脱力するのもOKです。寝ないように注意してください。この時、呼吸のことはあまり考えなくて良いです。ただ体から力が抜けているかどうかをチェックしましょう。
全身をチェックするのに、各部位ごとに意識を向けてみるのも良いですね。慣れてきたら内臓も緊張していないか感じてみましょう。肝臓・心臓・脾臓・肺・腎臓、胃・腸・膀胱から力を抜いていきます。
初めはフニャフニャになるくらい抜きましょう。本来は背骨は伸ばすものなのですが、お風呂に浸かったりクッションを使ったりして背骨は気にしなくても良いです。とにかく力を抜くことが瞑想での呼吸法のすごく大切な基盤になります。
呼吸前の心構え
そんなに一気に全部出来たら苦労しないですからね。。。私は横着だったので全部一気にやろうとしたのですが、出来たつもりになっていました。確実に上るべきステップがありますので、焦らずゆっくり楽しんで行いましょう。
呼吸法にはある程度決まりがありますが、そのルールに厳格に従ってこだわろうとすると、それが雑念となってしまいます。瞑想を下支えする基盤が呼吸法なので、出来ればそれが雑念になってほしくないのです。「こうしなければいけない」というルールは一切ありませんので、上手に呼吸が出来ても出来なくても気にしない、楽観的な気構えが良いでしょう。
息苦しい場合の対処法
どうしても息苦しい場合、どのような姿勢をとっているか確認してみてください。無理をして背筋をピンと張ろうとしていませんか?胡坐(あぐら)を組んで背筋が伸びていると気持ちも清らかになり気持ちが良いのですが、息苦しい場合はその姿勢を無理して維持する必要はありません。
背もたれを使いましょう。ゆったりと背中を預けてください。瞑想は修行ではなくリラックスするための手法ですので、緊張状態で無理して続けるのは禁物です。
また、普段から息苦しい場合は、デスクワークなどで腕から肺あたりの筋肉が凝っている可能性もあります。私はパソコン仕事でそうなりがちなのですが、似た状況でしたら日常的にどんな姿勢を取っているか、チェックしてみてください。基本的に同じ姿勢を30分以上は続けない方が良いと思います。体の骨組みや動きをよく分かっている方から、自分で日ごろからできる体操などを教えてもらえるともっと良いです。太極拳や健康法を教えてる方を探してみるのもいいですね。
頭の位置
ちょっと頑張って正しい姿勢で瞑想をしようと思うときは、頭の位置に注意してみてください。頭が体の前方に出ていると、頭を支えるために肩や胸の筋肉が緊張して、息を吸いずらくなります。少し頭の位置を後ろに下げてあげると、呼吸が楽になるかもしれません。
呼吸のスピード
また、無理をしてゆっくりと呼吸をする必要はありません。無理のないスピードで呼吸をしてください。吸う長さと吐く長さが初めのうちは均等にならないと思います。その長さについても気にせず、少しずつ整えていきましょう。
吐くときと吸うときのスピードを一定にするコツは「チドウ」をすること。太極拳や気功のようなもので、ゆっくりと動きながら行う瞑想です。座ってじっとしていると呼吸を一定にするのが窮屈に感じることがありますが、動きながらだと筋肉も和らぐためか呼吸のペースをつかみやすいです。
体のコリ・歪みを取る
多くの場合は体のコリ・歪みが息苦しさの根本的な原因だと思います。パソコン作業で腕の筋肉から胸の筋肉にコリが来て肺周りの筋肉が凝っている可能性もあります。また、椅子に座り続けた生活で、背骨や骨盤が歪んでいるかもしれません。
ただ、整体に通って直そうとすると、おそらく永遠に通い続ける必要が出てきます。体のコリは永遠に向き合っていくものなので笑。ですから、出来るだけ自分で出来ることは私は自分でやっています。整体やカイロプラクティックは、局所的に利用しています。
自分で実践してるのは、「西式健康法」の金魚運動と背腹運動、「刀療」の棒体操、硬い竹などを使った筋膜リリースのようなものです。金魚運動は寝る前と起きた時に布団を被ったまま出来て、寝るときはスッと眠れて目覚める時はダルさが消えて気分爽快になるのですごく助かっています。冬は布団を跳ねのけるのに時間がかかりますが、金魚運動をすると目が覚めるので一石二鳥です笑
呼吸法が成功した時の感覚
呼吸法がうまくいくと、海の上に漂っているような感覚になってきます。まだこの段階では腹式や胸式は意識していません。でもそういう感覚になるのですね。鼻から吸っているというよりも、体全身から息を吸っているような感覚になるかもしれません。
自然に空気が体の中に入ってきて、自然に体から空気が出ていく。これがうまくいった呼吸法の感覚でしょう。
※感覚には個人差がありますので、この表現に当てはまらないかもしれませんが、共通しているのは呼吸が瞑想の邪魔になっていないという事です。
腹式呼吸の方法
さて、やっと腹式呼吸です。なぜ腹式呼吸をするかといえば「呼吸」によって「気(エネルギー)」の流れをコントロールするためです。先ほどまでは宙にフワフワと浮かんでいるような呼吸でしたが、腹式呼吸によって丹田(第二チャクラ)を使うようになると、自分のオーラがピンと張り詰めた強い状態になり、「自分」のプライベートゾーンを確保できるようになっていきます。
腹式呼吸のスピリチュアル的効用
腹式での呼吸法から少し脱線しますが、なぜ腹式呼吸をするのか、という背景を説明しておきたいと思います。
人は五感を通じてマインド(思考・脳)に情報を取り入れているのですが、それは自分自身や自分自身の本質とは関係のない情報を入れています。
自分以外の誰かが言った言葉で頭はいつも一杯になっていて、物事の判断基準は0から自分が決めたものではなく、人が言ったものを採用して自分で決めたと思っているケースが多いです。親が言ったこと、先生が言ったこと、上司や同僚が言ったことなどですね。そして親は親自身の判断基準を持っていたでしょうか?先生は?と考えると、一種の“箱”の中で自分が思考していることが想像できると思います。
この状況は自分が自分の人生をコントロールできない状況を生み出しています。なので、定期的に自分だけのプライベート空間に入って思考をリフレッシュする必要があるのです。腹式呼吸によって「気」が活発になり人間のオーラが張り詰めた強い状態になると、自分だけのプライベート空間を保持できるようになります。
人間のオーラは、地球の大気圏のようなものです。目に見えませんが確かにそこにあり、自分以外の何者かの影響から自分自身を守ってくれます。瞑想をすると人間のオーラが張り詰めるので、周りからの影響をシャットアウトしてくれるのですね。そうすることで初めて、自分自身とサシで向き合えるようになるわけです。
以上が腹式呼吸のスピリチュアル的な効用の説明でした。では、実際の腹式呼吸の方法に入っていきます。
2-1.簡単な腹式呼吸の体感法
腹式呼吸がどんなものなのか感じるためには、仰向けに寝転がって息をするとよくわかります。ゆったりと椅子にもたれ掛かった時も腹式呼吸になりやすいです。
お腹を膨らませようと意識する必要はなく、自然と息をしてみてください。呼吸と同調してお腹が膨らんだり、凹んだりしているはずです。
座った状態での腹式呼吸
背筋を伸ばして良い姿勢で瞑想をすると、仰向けになっていた時と比べてお腹の膨らみを感じづらくなります。しっかりと口から息を吐いて、そして鼻から吸うことを意識しましょう。
お腹の膨らみを意識しすぎず、体が風船のようになった空気がしっかり入って来ている事を感じていくと、自然に腹式呼吸になっているかもしれません。
胸式呼吸が気になる場合
ここまで順を追ってきて、お腹ではなく胸が膨らむのが気になる場合は、どこか心身に力が入っている可能性があります。緊張している体の部分があればそこをさすってみたり、思考が緊張していたらなるべくこだわりを持たないように心がけてみましょう。
3.瞑想前に呼吸とともに溜まったものを吐き出す
瞑想前に呼吸を意識すると良いのは、溜まったものを出して行くことが出来るところです。
その方法をお伝えします。
溜まったものを吐き出す
まずは吐く息とともに溜まったものが出て行くのを感じます。
「ため息」をつくのと似ています。
私達は無意識のうちにストレスがかかると、吐く息とともにそのストレスを吐き出しているのかもしれません。
ポイントは無意識にため息をつく時のちょっとだけストレスを吐き出すような感覚ではなく、大きく息を吐いてストレスを全て吐き出してしまうことです。
新鮮な空気を吸う
悶々としたストレスや雑念を息とともに吐き出したら、新鮮な空気を鼻から吸います。
体の中や心を換気するのと似ています。
体と心が新鮮な空気で満たされるまで、ゆったりと続けていきます。
呼吸を忘れる瞑想
こうして呼吸を続けていくと、吐き出すものが無くなるので徐々に呼吸を強く意識してする必要がなってきます。
この状態が「無」を感じる準備が整ってきているサインです。
無を感じる瞑想
今までお伝えしてきた呼吸に意識を向ける瞑想は「無」へと向かうものだったのです。
生まれてから人間はずっと様々な形で情報を浴び続け、落ち着ける場所はまずありません。
人の話し声、電車の中の広告、テレビ、スマートフォンなど、情報は溢れかえっています。
私達には人生の目的があるはずですが、情報の洪水の中でそれに気づくのは至難の技です。
自分自身が心身ともに完全に落ち着ける場所である「無」が必要になります。
「無」の状態になると今までの雑念が鎮まり本来の自分自身に目覚め、人生の目的からのズレが修正されていきます。
松下幸之助など大きな影響力を持つ成功者に瞑想が活用されていたのは、このような理由からなのでしょう。
無から展開する瞑想
「無」を十分に感じ取ったら、続いてどうやって人生の目的へと進み、それを楽しんでいこうかと計画していく段階に降りて行くことも出来ます。
これは「無」の瞑想ではなく、より活動的な瞑想です。
ただし「無」の瞑想を体感すること無く出来ることではなく、やはり初めは「無」を体感することが必要です。
雑念から離れた「無」を通して冷静に人生の目的を見据えた後だからこそ、人生の未来をどうしようか考えることに大きな意義が生まれます。
瞑想の呼吸リズムを日常に活かす
瞑想で呼吸のリズムを一旦掴んだら、それをストレスが掛かった時などに活かすことも出来ます。
仕事で集中するときなどは、ついつい呼吸が浅くなってしまいがちですが、瞑想の時のような呼吸をするとストレスが減り仕事も捗ります。
また、人間関係でストレスが掛かったら呼吸法を活用し、自分自身にストレスを溜め込み過ぎることを回避することも出来てきます。
瞑想の呼吸法が分かった後での注意
瞑想での呼吸法をお伝えしましたが、本格的に瞑想を取り組むならばしっかりとした指導の下で瞑想することをおすすめします。
瞑想は普段は触れる事のない、思考(脳)のとても深い場所に触れる行いです。
一人で実践していて雑念が消えそうなところで家族の一声で瞑想が中断されると、思考の深い部分にダメージを負わせてしまうかもしれません。
「思考は現実化する」と言われる程、思考には計り知れない力が眠っていますので、整えられた環境で瞑想をされることを強くおすすめします。
私たちのサロン「ベール」にて定期的に瞑想会を開催していますので、そちらをご紹介させていただきます。
瞑想会の詳細はベールにて説明していますので、どうぞ御覧ください。
瞑想と良い付き合いをし、より楽しい人生を送って行きましょう!
この記事へのコメントはありません。